この本は航空会社の社長さんであるロルフ・ドベリさんが書かれた、「人生を豊かにする考え方」を集めた本です。
著者は「思考の道具箱」という表現をされていて、計52項目もの思考の道具が記されています。
今日はその中から3つほど、私の感想も含めて紹介したいと思ます。
11.自分の感情に従うのはやめよう
この項目で、著者は「自分の感情なんてあてにならない。自分が今、悲しいだの嬉しいだのなんてことと真面目に付き合う必要はない。」と言っています。
その理由は、「結局のところ、自分自身でも自分の感情なんてものはよくわからないから」だそうです。
「いや、でも、私たちは嬉しかったり、イライラしたりするじゃないですか?」
と、私も思ったのですが、そのレベルの話ではないらしいんですよね。
私たちが感じているのは、「な~んとなく嬉しくて、な~んとなくイライラする」、そのレベルなんです。
「どこがどう、どんな風に、どの程度、嬉しいか。この嬉しさとこの嬉しさを比べた時にどう違っているか」、なんていう風に詳しくわかるわけではないんです。
著者は、「私たちは、ビッグマックを食べてどう感じるかよりも、その中に何が挟まっているのかを説明する方が得意」と書いていました。
たしかに、感情の説明は「おいしい、うれしい、たのしい」で終わってしまいそうですが、見た目を説明しようと思えば、「何色のピクルスが何枚あって、そのうちの1枚は乾いていて、トマトの粒はぱっと見でも20粒以上はありそうで、チーズはとろけているけどさすがに100度はないだろう」と、無限に出てくる気もします。
では、感情があてにならないのなら、何を基準に生きて行けばいいのか?
そこで著者は、感情の代わりに『過去の出来事』に注目して、決断するように促しています。
つまり、『自分がどう思うか、どう感じるかよりも、事実ベースで決断をした方がよい』ということでしょう。
「就職面接の際も、面接時の印象などよりも、過去の経歴で選んだ方がいいに決まっている」と、書かれています。
なるほど、納得ですよね。
私も、毎日いろいろな感情に振り回されてはいますが、物事を決めるときには事実ベースで、フラットな視点で決めていきたいものです。
34.解決よりも予防をしよう
ここでは、タイトルの通り、『予防の重要性』について述べられています。
昨今、話題に上ることも多い問題解決能力ですが、そもそも、問題が起きないようにした方が手間も時間もストレスもかからない、と、まあそういうことですね。
とても納得のいく話ではありますが、私自身が実生活で実践できているかと言われれば、かなり怪しいところです。
いや、できていないと言わざるをえないですね。治療済みの虫歯もかなりの数になってしまいました。
ではなぜ、私たちは将来のトラブルに対して前もって手を打つことができないのか?
それは『想像力が足りないから』だと、著者は言います。
加えて、『想像力が足りないのは、本気で想像していないからだ』とも言っています。
想像する、と言うことは、スマホをいじったり、ビールでも飲みながら、ぼけーっと、なんとなーく、「もしかしたらこうなるかもしれないなー」と考えることなどではない。
想像することだけに集中して「ああなるかもしれない、いや、こんな危険もあるかも知れない、その時には何が必要で、今からできることは何か?」と、ありとあらゆる可能性を考え尽くすことだ、と。
はい、ぐうの音も出ないですね。
そこまでやれば、何事も安全に進められるというのは私でもわかります。
著者はそんな作戦会議の時間を一週間に15分は確保して欲しいと書いています。
「自分の人生にこれから起こるあらゆるリスクについて考えて欲しい、それが終われば後は好きにしていいから」
今週末、私もリマインダーに登録しておきます・・・・。
42.世界の不公平さを受け入れよう
薄々はわかっていたことをズバッと言ってきた感がありますね。
冒頭の例え話がとても秀逸でした。
ミステリー小説の例え話です。(コナン君は私の勝手な意訳です)
ここに、二つのミステリー小説があります。わかりやすくコナン君としましょう。
一つ目は、コナン君が聞き込みをして、証拠を集めて、麻酔銃で小五郎さんを眠らせて「犯人はこのなかにいる!!」と、犯人を暴き出す。犯人は泣き崩れ、「こうするしかなかったんだ・・・」とつぶやきお縄につく。
二つ目は、北斗の拳に出てくるようなどうしようもない悪党が犯人です。コナン君は捜査をしますが、どうにもうまくいきません。そして、最終的にはあきらめてしまいます。もちろん犯人は野放し、これからも好き勝手に犯罪を繰り返します。そして次回予告へ続きます。もちろん来週は全く別の事件の話です。
どちらのほうが納得できますか?おそらく2つ目を放送したら苦情が殺到するのではないでしょうか?
それは、私たちが「社会は公平であってほしい、悪人は罰を受けて然るべき」という願望が根底にあるからだと、著者は言います。
しかし、現実は違います。
だからこそ、私たちは公平さを求めるのかも知れません。
では、この残酷な不公平な現実にはどう対処すればいいのでしょうか?
「世の中は、もともとが不公平なものだと、そういうものだと受け入れて、冷静に耐えたほうがいい。」
これが、著者の結論です。
この現実を本当の意味で受け入れないことには、不幸なことが起こるたびに、「世の中は不公平だ」と繰り返し嘆くことになるのだと。
自分の手に負える範囲でも、直さなければいけない問題、直せる問題は山ほどあります。まずはそこから手を付けましょう、とも書いています。
理屈の上ではわかっていても、なかなかすぐには受け入れられないですが、私も共感できる考えですので、普段から心がけていきたいものです。
最後に
以上、私が『Think clearly』を読んだ感想も踏まえ、52の思考の道具の中から3つ、ご紹介させていただきました。
本書には、まだまだ役立つ情報が盛りだくさんです!!
残りの49個についてご興味のある方は、是非、ご自身で読んでみてくださいね~!!
【Think clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法 著者 ロルフ・ドベリ 株式会社サンマーク出版】